ARC歯科、口腔顎顔面外科専門医 代表院長のチョン・ジェホです。
最近、顎が痛い、口が開きにくい、顎からカクカクと音がするという理由で来院される方が増えています。

興味深いのは、最初から「顎関節の治療をお願いしたい」とおっしゃる方より、他の診療を受けた後に最後に遠慮がちに顎の話を切り出す方がはるかに多いということです。
「先生... 実は顎も少し診ていただけますか?」
診療をしていると、時代が変わったと感じる瞬間があります。以前は親知らずの抜歯やインプラント治療を終えてそのまま帰られる方がほとんどでした。ところが最近は、診療が終わる頃に必ずこんな話をされる方がいます。
「先生...」少し間を置いてから、「よく不調で、もしかして顎も少し診ていただけますか?」
まるで秘密の話を打ち明けるように、遠慮がちにおっしゃいます。思いのほかこういった方が本当に多いです。インプラントのご相談中でも、親知らず抜歯を終えた後でも、最後には必ず顎の話が出てきます。
なぜ最近、顎関節が痛む方が増えたのでしょうか?

以前より顎が弱くなったのでしょうか?おそらくそうではないと思います。その代わり、私たちの生活は大きく変わりました。出勤するとパソコンを見ます。退勤すればスマートフォンを見ます。寝る前もスマートフォンを見ます。集中するうちに無意識のうちに歯を食いしばり、ストレスを感じると顎に力が入ります。夜には歯ぎしりをすることもあります。
さらに驚くのは、ほとんどの方がそのことに気づいていないということです。朝目が覚めて「今日はなんで顎がこんなに張っているんだろう」と感じても、夜中に顎がどれだけ一生懸命働いていたかは分かりません。本人は寝ていても、顎は夜通し残業していたわけです。
顎関節は一日中休まない関節です

顎関節は思いのほか忙しい関節です。私たちは一日に何千回も顎を動かします。朝にあくびをするとき、コーヒーを飲むとき、昼食を食べるとき、会議中に話すとき、笑うとき、夕食を食べるとき、さらには夜食まで食べます。顎は一日中休みません。
これに加えて、硬い食べ物を長く噛んだり、片側だけで噛む習慣、歯を食いしばる習慣、歯ぎしりが重なると、顎関節と咀嚼筋には少しずつ疲労が蓄積されていきます。問題は、このような変化が一日で起きるわけではないということです。何ヶ月、何年もの間に繰り返された生活習慣が、ある日突然、痛みという形で現れることが多いのです。
顎関節はどの病院に行けばいいのでしょうか?

腕が痛ければ整形外科。目が痛ければ眼科。耳が痛ければ耳鼻咽喉科。でも顎が痛いときにどこへ行けばいいか分からない方が本当に多いです。そのため、いくつかの病院を転々とした後でようやく口腔顎顔面外科を訪れるケースも少なくありません。
顎関節は単に一つの関節だけを診る疾患ではありません。歯の噛み合わせ(咬合)、咀嚼筋の緊張、顎関節の動き、生活習慣、歯ぎしりや歯の食いしばり...これらの要素を総合的に診ていく必要があります。そのため、口腔顎顔面外科専門医の診察が有効なことが多いのです。
30代の会社員の患者様が印象に残っています

今でも印象に残っている患者様がいます。30代の会社員の方でした。初めて来院された時は、口が指2本分ほどしか開かない状態でした。ハンバーガーも大きくかぶりつくことができず、あくびも辛そうにされていました。会議の多い職場で、長く話すのも辛いとおっしゃっていました。
最初は首の筋肉の問題だと思って整形外科に通われており、耳に違和感を覚えて耳鼻咽喉科にも行かれたとのことでした。薬を飲み続けても症状は続きました。そこで「もしかして顎関節のせいかも」と思い、口腔顎顔面外科を訪ねてこられました。
診察してみると、原因は一つではありませんでした。顎関節の動きも悪く、咀嚼筋は強く緊張していました。普段から歯を食いしばる習慣があり、残業が多くストレスもかなり溜まっていました。話を聞いていると、退勤後にビール一缶とスルメを噛む時間が一日唯一の楽しみだとおっしゃっていました。患者様にとっては癒しの時間でしたが、顎関節にとっては残業の延長だったわけです。
顎関節治療は一つの方法だけでは解決しないことが多いです

顎関節の治療は時間をかける必要があることが多いです。物理療法を併用したり、緊張した咀嚼筋を弛緩させたり、生活習慣を一緒に改善したりします。必要に応じてボトックス治療やスプリント療法を併用することもあります。大切なのは、一つの治療よりも、なぜ顎関節に負担がかかっているのかという原因を一緒に探ることです。
顎は小さなサインを先に送ってきます
多くの場合、こんなところから始まります。
- 顎からカクカクと音がする。
- 口が以前より開きにくくなった。
- 毎朝、顎がだるい。
- 長く噛むと顎が疲れる。
しかし、そのサインを何ヶ月、何年も我慢し続けると、食事が困難になったり、口がほとんど開かない状態まで進行することもあります。車から異音がすればすぐ修理工場へ行くのに、顎から音がしても何年も我慢し続ける方がとても多いのです。

顎関節はある日突然壊れるわけではありません。長年繰り返されてきた小さな習慣が「そろそろ休ませてください」と送っているサインであることが多いのです。
最近こんなことはありませんか?
- ✔ 顎から音がする
- ✔ 口が開きにくい
- ✔ 毎朝、顎がだるい
- ✔ 歯を食いしばる習慣や歯ぎしりがある
そんな方は、あまり長く我慢せずに、一度きちんとした診察を受けてみてください。顎は一生使い続ける関節です。

今日も黙々と働き続けている顎に、あまり多くの残業はさせないでほしいと思います。
光化門近くで顎関節の診療に力を入れている口腔顎顔面外科専門医/ソウル大学歯科大学院非常勤教授のチョン・ジェホ院長でした。




